まだ我が家のシードが元気だった頃、知り合いのドッグトレーナーが、自由気ままに歩き回り、リードを引っ張りまくりだったシードのリードを持った事があった。
もう繁殖犬をとっくに引退して、それから何年も我が家で、気ままなシニア生活を送っていたシードなのに、そのトレーナーがリードを真上に上げた瞬間、首をまっすぐに伸ばし、頭を高く持ち上げて、足を馬のギャロップみたいに高く上げて、大きく円を描いて、颯爽と走り始めた。
それを見た瞬間、そのトレーナーと私が同時に「この子、ショー走ってたね」と言ったくらい瞬時に豹変したシード。
オーバーサイズではあったけど、漆黒の毛並みとスクエアな体型で、繁殖犬として随分頻繁に使われていたと聞いていたシード。
あの走り姿は、美しいと言うより可哀想が勝った。
これで、シードはハンドラーのリードの持ち方次第で、ハンドラーの意のままに歩く事が分かったんだが、私は最後まで、シードには自由に、勝手気ままに歩かせていた。
最初はシードの勝手気まま、引っ張りまくりの歩き方に苦言を呈していた、その知り合いのドッグトレーナーも、それからは何も言わなくなったから、やっぱり思うところがあったんだろう。
人目線で犬を矯正する事は、トレーニングでもなんでもなく、人間のエゴですよってお話しです。
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